技能五輪への取り組み
高度な技能を習得するため、
全国左官技能競技大会に参加しています
中屋敷左官工業
こだわりの人材育成
なぜ中屋敷左官工業では
技能五輪への
取り組みを行っているのか?
若手に技を継ぐために、会社全体で挑戦し続ける。
それが私たち中屋敷左官工業の、
未来へのものづくりです。

- 技術と精神の継承
- 技能五輪は、伝統技術の習得とともに「考える力」「粘り強さ」「誇り」を育てる場。中屋敷左官工業では、競技を通じて若手に“技術”と“人間力”の両方を継承させることを目的としています。

- 組織としての挑戦と成長
- 競技への取り組みは、選手だけでなく補佐員・社長・社内全体で進める“チーム戦”。その中で道具の改善や現場の整備など、日々の業務にも革新と成長が波及します。結果として組織力も高まります。

- 企業文化と未来づくり
- 技能五輪での挑戦と成果は、「育てる会社」「挑む文化」という中屋敷の姿勢を体現。若手に選ばれる職場づくり、技術職の社会的地位向上という観点からも、重要な取り組みとなっています。
- 技能五輪全国大会とは
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全国の23歳以下の若き技能者たちが、日々磨いてきた技を競い合う「技能五輪全国大会」。この大会は、若者たちに目標を与えるとともに、ものづくりの世界に触れるきっかけをつくり、“技能の価値”や“職人のかっこよさ”を広く社会に伝えることを目的としています。また、技能五輪国際大会が翌年に開催される場合は、その日本代表を選ぶ選考も兼ねて行われ、世界を目指す選手たちにとっても重要な舞台となります。
技能五輪全国大会のホームページ
技能五輪への挑戦の歴史
第54回大会に初参加。
はじめてのチャレンジで銀賞を受賞
- 2016年10月22日〜24日、山形県において技能五輪全国大会が開催されました。
- 全41職種、1318名もの出場選手で競技が行われました。
- 当社からは藤木くんが初挑戦です!
- 例年になく難易度が高く、試合当日まで競技時間の延長が検討されるほど。
- そんな中、藤木君は素晴らしい作品を完成させることができました。
- 結果は惜しくも、昨年の銀メダリストに僅かに及ばず銀メダルでしたが、初参加という不利な条件且つ難しい課題の中、素晴らしい成績でした。
現場リポートをチェック!
第61回大会に二度目の参加。
8年ぶりのチャレンジで金賞を受賞

北海道・札幌の地で80年以上にわたって左官の技を磨き続けてきた「中屋敷左官工業株式会社」。
その歴史に、またひとつ輝かしい一ページが刻まれました。
2024年秋、全国の若き技能者が競う「技能五輪全国大会」において、
若手職人・泰喜(たいき)さんが左官職種で見事“全国優勝”を成し遂げたのです。
この物語は、ただの勝利の記録ではありません。
ひとりの若者が、社長や仲間たちとともに、自らを磨き、悩み、乗り越え、頂点に立つまでのリアルな軌跡。
そこには、左官という仕事にかける誇りと、技術だけではない“人間力”の成長がありました。

第1章 挑戦のはじまり
高校2年生で左官の仕事と出会い、泰喜さんは「技能五輪で金メダルを取る」と宣言して中屋敷左官工業へ入社。入社後は休日返上で塗り壁トレーニングに励み、社長からもそのストイックさを高く評価されていました。練習初期には道具配置や動作の無駄を改善するため、道具棚の整理などにも着手。「美しく、無駄なく」という社長の教えを体現する日々が始まります。
- 研修センターで技能五輪について真剣な面持ちで話す泰喜さんと社長。
- 道具や材料の配置を自ら工夫。1秒を削るための準備も、技術のうち。
- 実物の壁を使ったトレーニング開始。現場を想定した実践で一歩ずつ前へ。

第2章 積み上げる日々
改善提案に対して即答せず「ジーッ」と熟考する姿勢に、社長は泰喜さんの思考力を見出します。誰からも言われずに生まれた工夫の数々——マスキングを活用した隙間処理、刷毛のマグネット固定、濾過装置や作業台カスタム——1秒を削るための努力が積み重ねられていきます。練習中の道具トラブルも「神様からのプレゼント」と捉え、失敗からの学びに変えることで、精度と精神の両面で強さを身につけていきました。
- 道具と材料が混在する空間に、改善の余地あり。ここから“整理整頓”が始まった。
- 1秒を削るため改善。刷毛のマグネット固定や作業導線の工夫が精度と集中力を生んだ。
- 日々アップデートされる道具棚。使いやすさを求めて、何度も手を入れ続けた。

第3章 チームになる
社長が海外出張で不在となった4日間、練習中に重大なミスが相次ぎます。折れたモールディング、角が立たない不調、リハーサル中止…。苦悩の中でも、泰喜さんは改善と再挑戦を続け、2分の時間短縮で課題を完成させます。自由課題では紅葉と枯山水のモチーフに決定。多くの職人が助言・素材提供で参加し、まさに「チーム中屋敷」が形になっていきました。社長との激しい議論も、「泰喜の五輪だから、お前が決めろ」という信頼と任せる姿勢に支えられていきました。
- 折れてしまったモールディング部材。悔しさを糧に、何度も型を取り直して修正を重ねた。
- いい仕事をする為に自分でも納得のいくまで考え話し合う姿。
- 自由課題は紅葉と枯山水がモチーフ。職人仲間からの協力やアイデアで作品に彩りを添えた。

第4章 運命の2日間
競技1日目、震える手で始まった作業は、モールディングの破損というトラブルから始まりました。午前中は11分の時間短縮で持ち直し、午後にはモールディングが落下・破損という最悪の事態を乗り越え、予定より30分早く作業を完了。2日目は自由課題で紅葉と枯山水を美しく仕上げ、スピード競技では社長考案の秘密道具も活用。塗り壁仕上げでも数々のトラブルを冷静に乗り越え、全9時間20分の工程を完遂しました。
- 競技1日目、会場に立つ泰喜さん。緊張と期待を胸に、全国のライバルと対峙する。
- スピード競技で用いた額縁パーツ。モールディング破損を乗り越え、精緻に仕上げた。
- 9時間20分の全工程を走り抜き、堂々の仕上がりを見せた。



第5章
絶体絶命、そして歓喜
結果発表、銅賞も銀賞も呼ばれず、会場には緊張が走る中、「金賞——北海道代表 高橋泰喜!」とコール。会場は歓声に包まれ、全員が涙しました。「モールディングが割れたときは、やめたいと思った。でも最後に大事だったのは“気持ち”でした」と語る泰喜さんの言葉には、重みがありました。この挑戦は多くの先輩たち、現場を支えてくれた職人たちとの総力戦であり、全員が「やるべきことをやり切った」と誇れる結果でした。

- 完成した課題作品と記念撮影。努力のすべてがこの一枚に刻まれる。
- 表彰式会場の演出が、緊張と期待をさらに高める。
- 金メダルを手にした瞬間。その瞳に浮かぶのは、仲間たちへの感謝と誇り。

第6章 挑戦のその先へ
この挑戦を通して、泰喜さんは「生き方が変わった」と言われるほどに成長。「結果よりも、その過程に価値がある」と社長は語ります。そして今、後輩の喜平さんが次の挑戦へ向けて動き出しています。泰喜さん自身も「この人に仕事を任せたい」と思われる職人を目指し、後進を育てながら、さらなる挑戦へ歩みを進めています。チーム中屋敷の物語は、まだまだ続いていきます。
- 全国から集った同世代の挑戦者たちと。健闘を讃え合う記念の一枚。
- 次なる挑戦を見据える喜平さん。その背中を見て後輩が育っていく。
- 多くの支えへの感謝を胸に、ひとつの挑戦を終えた喜びの握手。
TVでも紹介されました!
- HTB 北海道ニュース
- 驚きの技術と奥深い魅力
道場にこもり日本一に輝いた若き職人のスゴ技とは
- TVh 北海道ニュース
- 北海道から約半世紀ぶり!
20歳の「日本一の左官職人」のワザに迫る


技能五輪という舞台の裏には、
積み重ねてきた努力、
数々の失敗と修正、
仲間たちとの支え合いがありました。
この記録が、
未来の職人たちにとっての道しるべとなり、
技術と志を受け継いでいく礎となれば幸いです。

現場リポートをチェック!